美味しいお米探検隊 | 200704

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稲作の現状 機械化貧乏

今どき、手で田植え、稲刈りということは、農家では見かけません。小さな農家なら、その作業を機械を持つ農家に委託するという形になっています。
 尊保は中山間にしては規模が大きめの農家が多く、そのため小型の機械を各農家がもつような状態です。

 農機は自動車より速く走るわけでもないのですが、値段は一人前で喜佐さんのところのトラクターならは300万円だったというわけです。
 喜佐さんは奥さんにいわれたそうです。「あなた、これでどれだけお米を買えますか」。
 そこで、森尾がお応えします。今どき、スーパーで5kg2000円だせばコシヒカリだって買えます。このくらいの単位でいつも買っていれば、300万円で1500袋買えます。7,500kgです。年間一人あたり米消費量は約60kg、125人で1年間かけて食べる量、4人家族で30年以上かかります。
 もう儲からないというのなら、お米生産なんかやめて、そのお金でお米買いましょうよという話になりかねません。

 もちろん、農家は自分が食べる分以上に作って売るので、農家が自分でお米を食べるための投資として捉えるのは変なのですが、収支を計算しても、買った方が安かったのではということは中山間地域では多々あること、しかも、これが無くなったら、高齢者は健康を維持するために散歩したり、ゲートボールしたりと積極的に健康作りしないと、介護医療費で地方自治体をパンクさせかねない状態です。

 これは息子が他産業で生活を支え、定年後のお父さんは年金もあるから、自分の給料がとれなくてもいいかなと思いながら稲作が続けているためで、微妙なバランスの上で稲作が続けられています。これができるのも機械化のおかげです。

 ひょっとしたら、こっちの方が生態系よりデリケートかも・・・・

田植えの準備が進んでいます。

昨日、尊保の喜佐さんのところに電話いたしました。
集落の皆さんは、田植えに向けて準備中ということです。

 排水不良になってしまった田んぼですが、区画を区切って生産するようです。原因は地盤沈下が地震の影響で出てきたためで、水路にも亀裂が入って、漏水しているところもあるようで、集落の皆さんが修繕を進めている状況です。
 とりあえず、今年も稲作りがはじまります。
 例年、ゴールデンウイークが田植えの時期です。
 喜佐さんは5月上旬、ゴールデンでウイークの後半を考えているそうです。
 この時期については、遅霜が降りる危険性を考えてのことだそうです。♪夏も近づく八十八夜♪とお茶の歌をご存じですか、旧暦のお正月から数えて88日、このころになれば遅霜の危険性がかなり低いから、それを見据えて植えるというのが喜佐さんの判断です。今年は春が寒いので、4月のうちからというのは避けたいようです。

 田植え前には、育苗
 育苗はハウス栽培といえばいいのか、育苗用に施設が設けられたりしています。最近では硬化苗、そのまま田植えできる苗を購入という農家もいるのですが、出芽したばかりの苗を購入して農家が育苗するのが多いようです。ただ、種子消毒を業者がしてしまうので、有機栽培用は農家が籾から育てます。
 昨年の販売農家である喜佐さんや辻屋さんのところは有機用以外は、出がしたばかりの苗、ハウスの中での風がどうあたるかなどで、生育にムラが出る。喜佐さんは、そのため、育苗箱の位置をローテーションさせるとか、水張りとか日に何度も見に行かないとダメだということでした。
 
 田んぼの方はもう水が張ってある状態です。
 今が「代かき」(田んぼのなかの泥をきれいな平面にします)の頃です。

 私がこれまで、情報を更新していませんでしたが、
もう既に田んぼの作業がいくつか終わっています。

 トラクターで土を越したり、田んぼのなかの高低差を無くすようにしたり、なかには秋起こしといいまして、冬を迎える前に土を起こす農家もあります。

 我々は、田植えまで稲をみることはないのですが、農家では既にいろいろな作業が終わっている状態です。
  

天水田の棚田



この写真は、以前、尊保の近くの集落で写したものです。
田んぼに水を引き入れる口の部分です。この集落は尊保と比べて傾斜もきつく担い手も残っていないことなどから、基盤整備がされていません。沢から小さな溝を伝って水を入れることになります。
 たしか冷たいままの水を入れないようにする工夫だったとおもうのですが、水の引き入れ口からの水が直接、稲にあたらないようにしているものです。
 写真の左下から水が入り、一度、スペースのあるところで広がって、右下の口から稲のある部分に流れるという構造になっています。
 昔ながらの農家の工夫です。沢水を直接引き入れる棚田をみたら、さがしてみてください。

 尊保では用水を整備したので、田んぼにこのようなことはしていませんが、それでも水の引き入れ口付近には稲を植えていないので、今でもこのような水の引き入れ口の機能は必要なのかもしれません。

瀬替え 用水路




 この写真は尊保川で人工的な護岸になってしまった部分です。
実は、この部分、川が大きく蛇行していまして、そこを整備してまっすぐな流れにしたところです。いわば、あらたしく人工的な川のバイパスを造ったということです。
 瀬替えは、こんな小さな川だけに限らず、関東の利根川なども江戸時代のころに瀬替えが行われたそうです。
 これでも都会の人にはのどかな風景でしょうが、田舎の人たちから見れば人工的で近代的な風景です。川が蛇行していたままだと、大きな区画の水田に整備したりもできないので、このような形になってしまったわけです。
 もちろん、工事で生物たちに負担をかけてしまう、岸のコンクリートが変わった形をしているのは、植物が定着しやすく、魚が隠れる場所をつくるためです。コンクリートであるので風情はあまりないですが、崩れないように工事した上に、管理する集落の人たちの負担は減ります。
 生物にも、人間にも良いようにと考えて、見た目を妥協したということでしょうか。

砂丘地の園芸 五郎島金時

私は尊保のお米のことだけではなく、最近は茨城のサツマイモについても、試験場で作った新品種をのばそうと活動しているのですが、金沢の3年間、五郎島金時になじみが深くなったので、紅あずまばかりの茨城にいると五郎島金時の天ぷらが食べたいとついつい思うのです。
 時より、金沢屋というサイトからとりよせるのですが、「かわに」という農業法人のサツマイモプリンもなかなかなので一度試してください。クリーミーなプリンです。
 五郎島金時、○○金時というのは、品種としては高系14号と呼ばれる品種なのですが、産地で特色が出てきて色も味も変わります。
 金沢でも五郎島地区は砂地が細かくよいイモができるそうです。
 金時は粉質、ほくほくとするタイプです。
 天ぷらは美味しくできると、口の中でさらさらととける感じで絶妙です。金沢で居酒屋に入るとついつい注文してしまう一品。
 ただ、普及員さんによると偽物もあるようなので、ご注意を

春の景色 金沢




先日、金沢の冬の風景を載せたのですが、今朝のニュースで高岡の桜が満開という映像をみて、そうだ春だから春らしい写真はなかったかなとおもい、私の写真から桜のある景色を選んでみました。
 金沢市の尾山神社の写真です。今なら、こんな風景だと思います。

雪の少ない?石川県


 尊保がたいへんな時期なので、しばらく農閑期用のネタを続けます。
 この写真は、私が石川県に出向していた時に撮った写真で、残念ながら、最近とったものではありません。もちろん、この前の冬は暖冬でそれほど雪がなかったのですが、金沢の冬の風物詩の雪吊りはそれほど活躍していないのです。
 もちろん、北陸ですから雪は降りますが、石川県はとなりの富山や福井と比べても雪は少ないのです。そのため、私は金沢在住の期間、雪吊りした松の枝にこんもり雪がのっているところ写真にとって、年賀状にでも使おうと思っていたのですが、なかなか機会が少なく、早朝に兼六園に行ったり、大雪が降ってるところに行ってようやくとれたというような感じです。
 この写真の時は、ちょうどライトアップのイベントだったのですが、手ぶれが多くて使えそうなのがようやく一枚。

 実は京都の金閣寺も雪景色が絵はがきに使われてますが、雪国でもないので、冬に京都に観光に行っても、そうそうあんな風景に巡り会えない。
 なんか、金沢の兼六園も冬に雪吊りはみられますが、雪とセットでということになると結構難しいです。
 だから、私は兼六園以外の場所の雪吊りは止めればと、冬になるといつも思うのです。
DSCN0058ss.jpg

もっとも過疎化のひどいところが地震に

能登半島地震が過疎化している地域での地震だということは
皆さんもご存じかと思います。
 ただテレビでみる映像を見ているかぎり、集落と言うより市街地にある住宅地で家が倒壊しているところばかりを見かけます。
 
 よくニュースに出てくる輪島市門前町、輪島市と合併する前の門前町は普及員さんたちの情報によると能登でも廃村をむかえそうな集落がもっとも多いところのようです。
 「限界集落」、地域を維持するための自治に関連する活動ができないような集落が被害にあったと、日本農業新聞にでていました。
 一部、報道でも、道路が寸断され取り残された地区のおじいちゃんが、避難をしないことなどをとりあげていましたが、私が心配なのはこのような地域です。
 非効率な農業経営しかできないので、お米を作っている人でも、お米は買った方が安いのではいうようなところです。高齢化した住民ばかりで、産業はなく、そこで田んぼまでなくなりそうな能登の農村は本当にあやうい状態です。
 こんなところが地震の被害を受ければ、人の住まない地域が増えていくだけではないかと思います。
 
 
 尊保の周辺でも、富来川本流を遡っていくと、尊保との分かれ道よりは上は限界集落じゃないのかと思えるところもあります。
 尊保がたまたま地区のまとまりもよく、稲作の担い手も多いという例外的な集落といって良いのかもしれません。

何もできないのか

もう、イネの春作業は始まる頃のはずですが、地震の影響もあり積極的には連絡を取っておりません。そのため、様々なホームページのリニュアールもしていないのですが・・・、
 私も何もできないことがもどかしいのですが、できることがあればと思い、とりあえず、志賀町で義援金を受け付けているようなので、リンクをはっておきます。


http://www.town.shika.ishikawa.jp/noto_jishin/jishin_gienkin.jsp

能登への観光旅行は止めないで

 能登半島地震で避難生活をしている方もおられるのですが、能登半島の住民全員がそうなったわけでもないことに留意していただきたいと存じます。普段の生活に戻られている方も多くいらっしゃいます。
 この前、紹介した「ヤセの断崖」は震源地に近いせいか、立ち入り禁止しているようですが、能登全体が観光に来られない状態ではありません。
 ボランティアも輪島市、穴水町のみが受け付けていますが、尊保のある志賀町には募集すらありません。それだけ、普通の生活に戻った人も多いのです。
 輪島の朝市は店舗は少ないながらも、再開しています。多くの旅館やホテルは一部に避難所なっていることなどで営業していないところもありますが、多くは通常通りの営業に戻っているとのこと。
 観光客が来ないと過疎化にますます加速がついてしまいます。営業が再開している旅館やホテルであれば是非、行ってください。

 

能登半島地震で田んぼが・・・・

本日、石川県立大学の小林先生に尊保の様子を見てもらってきました。
 けが人もなく、道路にヒビが入った程度というのですが、思わぬところに被害がありました。水がわき出している田んぼがあるというのです。
 米作りにも影響することなので心配なことです。
 今のところ、排水の問題なのか、地下水の流れのことなのか、原因はわかっていません。
 続報が入れば、またお伝えします。

 

Extra

プロフィール

サクラマス

Author:サクラマス
農業水路の生物保全を目的に、能登半島にある尊保集落の協力を得て、地域情報の発信の実験をしていましたが、研究期間が終了のため、仕事ではなく、趣味での美味しいものの情報を載せるぐらいにします。

 ながらくお世話になりました。
 頃合いはみて閉じる予定です。

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